【事例】労働法の問題(解雇)
モンゴルで企業経営していますが、現地従業員の遅刻が多いので解雇したいと考えています。
【アドバイス】
解雇できる条件が整っているかを確認してください。モンゴルでは、解雇する際には、就業規則に記載された非違行為に基づき解雇する必要があります。また、非違行為から懲戒処分までの期間制限があります。即時解雇を行える場合は限定的であり、通常は事前に警告を行う必要があります。(2026.6.17)
【事例】労働法の問題(就業規則)
モンゴルには、就業規則の作成義務がありますか。
【アドバイス】
モンゴルでは、労働法の書きぶりからは、就業規則の作成は「使用者の権利」として規定されていることから、必ずしも作成が義務付けられていないようにも考えられますが、その他の規定からは、事実上就業規則作成は義務といえます。就業規則の規定がなければ、懲戒処分ができない(ないし非常に困難になる)などの不利益がありますので、使用者は就業規則を作成するべきです。(2026.6.17)
【事例】労働法の問題(労働契約)
モンゴルでは、口頭だけで従業員を採用することはできますか。
【アドバイス】
使用者には、書面により労働契約を締結し、使用者・労働者が署名し、契約書の写しを労働者に提供する義務が労働法上あります。正当な理由により書面で労働契約が締結されていない場合、使用者は、労働者が職務を遂行し始めてから10営業日以内に労働契約を書面で締結する義務を負います。この規定に違反した場合、使用者には罰則があります。必ず、書面で労働契約を締結してください。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(試用期間)
新たに採用する従業員について、試用期間を設けることはできますか。
【アドバイス】
試用期間を設けることは可能ですが、労働法の定める範囲内で行う必要があります。具体的には、労働法上、使用者は、労働者が職務に適していることを確認するために、試用期間労働契約を結ぶことができます(本契約と別個の契約として契約します)。試用期間は、3か月を超えてはならず、相互の合意により1回、3か月間まで延長することができます。試用期間中の労働者の基本給は、職務の基本給以上に設定され、労働法に従って、追加の給与、ボーナス及び手当が支払われる必要があります。試用期間中であっても労働者として保護されますので、自由に解雇できるわけではありません。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(配置転換)
会社の都合で従業員の職種や勤務地を変更できますか。
【アドバイス】
原則として、労働者の同意が必要です。職務記述書で労働契約の内容を明確に定義し、それを超える変更は契約をやり直す必要があるという考え方です。事前の同意についても有効性が問題となりえます。日本と同様に、就業規則だけで自由に変更できるとは考えない方が安全です。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(有給休暇)
有給休暇を取得しない従業員がいます。そのままにしても問題ないでしょうか。
【アドバイス】
労働関係が終了した場合には、未消化の年次有給休暇について手当を支払う必要があります。休暇管理を適切に行い、未消化休暇を把握しておくことが重要です。有給休暇については、実際には有給休暇手当として処理され、その計算方法が日本と異なりますし、有給休暇日数は労働手帳に基づいた勤務歴を根拠に過去の別会社での勤務も計算に入ることがあります。有給休暇については会計士などの専門家のアドバイスを得ることをお勧めします。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(解雇)
業績不振を理由として従業員を解雇することはできますか。
【アドバイス】
可能な場合はありますが、労働法に定められた解雇事由及び手続を満たす必要があります。解雇理由や手続に問題がある場合には、紛争となる可能性があります。特に日本企業の場合、給与水準などが現地企業より高いことが多く、訴訟などになる事案が多くみられますので、安易に解雇することはせず、事前に専門家へ相談することをお勧めします。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(定年)
モンゴルの定年は何歳ですか。
【アドバイス】
労働法自体は一律の定年年齢を定めていません。老齢年金の受給に合わせて労働契約を解除する就業規則を設ける例が見られますが、老齢年金の受給開始年齢は、社会保険関係法令により、生年月日及び性別ごとに定められています。就業規則に定年を定める場合には、これらの法令との整合性を確認する必要があります。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(ハラスメント)
職場におけるパワーハラスメントやセクシャルハラスメントについて、会社にはどのような義務がありますか。
【アドバイス】
モンゴル労働法では、ハラスメント、暴力及びセクシャルハラスメントが明確に禁止されています。会社は、ハラスメントのない職場環境を整備し、苦情を受け付ける体制を構築することが義務付けられています。労働法上、使用者は、労働及び労使関係におけるハラスメント、暴力及びセクシャルハラスメントの予防、抑制、苦情解決の規定を就業規則に反映させ、圧力、ハラスメント、暴力、セクシャルハラスメントを我慢しない職場環境を整備する義務を負います。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(差別)
採用時に年齢や健康状態について質問しても問題ないでしょうか。
【アドバイス】
モンゴル労働法では、差別が禁止されており、職務に関係のない事項について質問したり、健康状態や妊娠の有無などの情報を収集したりすることは原則として禁止されています。採用面接では、職務遂行に必要な事項に限定して質問しましょう。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(残業)
従業員に残業を命じた場合、必ず残業手当を支払わなければならないのでしょうか。
【アドバイス】
原則として、法令に従い割増賃金を支払う必要があります。残業時間の管理を適切に行い、労働時間を客観的に記録しておくことをお勧めします。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(休日労働)
休日に従業員へ勤務を命じることはできますか。
【アドバイス】
労働者の合意が必要です。また、休日・祝祭日の労働では、それぞれ割増率が異なりますので注意してください。また、代休日を設けることは可能であると解されます。いずれにせよ、休日出勤が常態化しないよう注意が必要です。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(賃金の減額)
会社の業績が悪いため、従業員の給与を一律に引き下げたいと考えています。可能でしょうか。
【アドバイス】
通常の労働契約では、業績悪化による一方的な賃金引下げは許されません。労働契約や就業規則との関係もありますので、労働者との協議や必要な手続を経て行うべきです。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(賞与)
モンゴルでは賞与を支払う義務がありますか。
【アドバイス】
法律上当然に賞与の支払義務があるわけではありません。ただし、労働契約や就業規則で賞与を支給することを定めた場合には、その内容に従う必要があります。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(外国人労働者)
日本人をモンゴル法人で雇用する場合、日本人にもモンゴル労働法が適用されますか。
【アドバイス】
モンゴル国内で行われる労働については、原則としてモンゴル労働法が適用されます。外国人であっても、労働契約や就労許可などについてモンゴル法令を遵守する必要があります。また、外国人の雇用にはその人数や賃金などについて制限がありますので、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
【事例】労働法の問題(懲戒処分)
勤務態度の悪い従業員を懲戒処分にしたいのですが、自由に懲戒できますか。
【アドバイス】
できません。懲戒処分は、労働契約、就業規則や労働契約に基づき、労働法に定められた手続を経て行う必要があります。曖昧な規定や恣意的な運用は、後日の紛争の原因となります。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(損害賠償)
従業員のミスにより会社へ損害が生じました。損害額を給与から控除できますか。
【アドバイス】
当然に全額を控除できるわけではありません。労働法及び労働契約の内容を踏まえて検討する必要があります。全額の賠償責任を負担させる場合にも労働法上厳しい制限があります。労働契約や就業規則作成の段階で損害賠償についても規定したうえで、会社財産に損害が生じた場合でも、直ちに給与から控除することは避けるべきです。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(副業)
従業員が他社でも働いていることが分かりました。副業は禁止できますか。
【アドバイス】
通常の労働契約においては、副業を禁止できません。ただし、その場合、労働者は主たる使用者に通知する義務があります(労働時間計算のため)。特殊な労働契約の場合、同業他社での副業の場合には副業を禁止できる場合もありますが、例外的です。(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(秘密保持)
退職した従業員が営業秘密を持ち出すことを防ぐことはできますか。
【アドバイス】
労働契約や秘密保持契約(NDA)において、営業秘密の取扱いを明確に定めておくことをお勧めします。退職後の紛争を予防するためにも、秘密情報の範囲を具体的に規定しておくことが重要です。
労働法上、使用者は、特別な条件の労働契約を結んでいる労働者又は必要と思われる他の労働者との相互合意により、労働契約に秘密保持に関する追加条件を含め又は付随する契約を結ぶことができ、使用者は、秘密を保持し、事業体及び組織の秘密保持のための手続を定めることができます。
(2026.7.12)
【事例】労働法の問題(競業避止義務)
退職した従業員が競合会社へ転職することを禁止できますか。
【アドバイス】
原則としてできません。特別に重要な役職の労働者の場合には、労働契約の終了から1年間を限度に、競業禁止を合意する契約ができますが、その場合でも、競業避止義務を定める契約の期間中、労働者に対し、月の給与の50パーセント以上の保障を毎月支払う義務があります。(2026.7.12)
