相談事例(モンゴルに関するもの)

これまでに、大正法律事務所及びBAYAR AND OKA法律事務所が関わった事案を掲載しています。

守秘義務に配慮し、実際の相談事例を一般化・匿名化して掲載しています。

契約

【事例】契約書の作成文言

 モンゴル企業と契約をする場合、契約書はモンゴル語で作成する必要がありますか。

【アドバイス】

 契約書の文言をモンゴル語で作成する義務はありません。したがって、どの言語でも契約可能です。一般的には、日本企業が作成する契約書は、英語、モンゴル語、日本語のいずれかによることが多いです。英語で作成する場合は、中立的な言語であるというメリットがあります。モンゴル語、日本語で作成した場合、どうしても母語話者に有利になりがちです。日本企業は、日本語か英語で契約書を作成するようにお勧めします。

 モンゴル語以外の言語で契約書を作成した場合には、現地の便宜のためにモンゴル語で訳文を作成することも検討しましょう。訳文を付する場合には、いずれが正文でいずれが訳文であるか明記するようにしましょう。ときどき、モンゴル語と日本語または英語を併記する契約書を見かけますが、いずれの言語が正文なのか判別がつかず混乱の原因となりえます。(2026.6.17)

【事例】契約書がなく、メールだけで売買しました

 モンゴル企業とメールのやり取りだけで商品の売買を決めました。正式な契約書はありません。このような契約でも有効でしょうか。

【アドバイス】

 契約内容によっては有効となる可能性があります。もっとも、契約内容や合意事項を後日証明することが難しくなります。特に高額取引や継続的な取引では、価格、数量、納期、支払方法、解除条件などを記載した契約書を作成しておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書の公証

 モンゴル企業と契約をする場合、契約書に公証人の公証を受けておく必要はありますか。

【アドバイス】

 モンゴルでは、公証が法的効力の要件となる契約があるため注意が必要です。

 モンゴルでは、契約によっては公証を受けなければ法的効力が生じないものがあります。代表例は不動産の所有権移転です。このほか、共同所有不動産を家族が処分する場合、集合住宅の単独所有権を発生させる法律行為、不動産担保契約、将来の財産移転を目的とする契約、遺言、相続放棄などについても、公証(契約によってはこれに加えて登記)が必要となります。

また、公証が効力要件ではないものの、一方当事者が相手方に公証を求めることができる契約もあります。動産担保契約がその一例です。

 さらに、公証は義務ではない契約についても、後日の紛争予防や契約内容の適法性を確認するため、公証を受けることが有益な場合があります。例えば、モンゴルでは一般の不動産賃貸借契約についても、公証を受けることが実務上少なくありません。

 契約の内容によって公証の要否や効果は異なりますので、契約締結前に確認することをお勧めします。(2026.6.18)

【事例】相手が「口約束だから大丈夫」と言っています

 モンゴル企業から「細かい契約書は不要です。口約束で十分です」と言われています。本当に問題ないでしょうか。

【アドバイス】

 契約書がなくても契約が成立する場合はあります。しかし、後になって「そんな約束はしていない」「値段が違う」「納期を聞いていない」といった紛争が起きると、証明が非常に困難になります。円滑に取引が行われているときは特に契約書がなくても問題にならないことが多いでしょうが、万一円滑な取引ができなくなった場合には、契約書が重要になってきます。

 契約書はお互いの関係が悪くなったときにこそ必要になるものです。海外取引では、双方が円満に取引をはじめる段階で契約内容を書面に残すことが、最も重要なリスク管理といえます。(2026.6.19)

【事例】契約書を読まずに署名してしまいました

 モンゴル企業から「いつも使っている契約書です」と言われ、その場で署名しました。後から見ると、自社に非常に不利な内容でした。無効になりますか。

【アドバイス】

 契約書を十分確認しないまま署名したというだけでは、通常、契約は無効になりません。詐欺や強迫があった場合、重要事項について誤認があった場合などには、契約の効力が問題となることがありますがあくまで例外的な場合です。この場合、モンゴル企業に再度交渉を申し入れ、契約書の内容を見直すよう協議することをお勧めします。

 契約書は、署名前に十分内容を確認し、不明点があれば専門家へ相談することをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書にサインした後で内容を変更したいと言われました

 契約締結後に相手方から「価格だけ変更したい」と言われています。口頭で了承しても問題ないでしょうか。

【アドバイス】

 契約内容は当事者の合意によって変更できます。変更する場合、後日の紛争防止のためには、変更内容を書面など証拠が残る方法で確認しておくことをお勧めします。

 重要な契約では、変更契約書や覚書を作成するべきです。(2026.6.19)

【事例】相手が「とりあえず契約だけ」と言っています

 モンゴル企業から「詳細は後で決めるので、とりあえず契約だけ締結しましょう」と言われています。このような契約でも大丈夫でしょうか。

【アドバイス】

 契約の基本事項が決まっていない場合には、後日大きな紛争になるおそれがあります。特に、価格、数量、納期、支払方法、品質、解除条件などは、契約締結時にできる限り明確に定めるべきです。

 「後で決める」という事項が多い契約ほど、後日の解釈を巡る争いが生じやすくなりますのでよく注意してください。(2026.6.19)

【事例】契約書に書いていないことまで要求されています

 商品を販売したところ、買主から「操作方法の説明や社員研修も契約に含まれるはずだ」と言われました。しかし、そのような記載はありません。

【アドバイス】

 契約書に明記されていない義務まで当然に負うとは限りません。

 一方で、契約の目的を達成するために通常必要と考えられる説明義務や資料提供義務などが認められる場合もあります。納品後のサポート内容については、契約書にできるだけ具体的に記載しておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書の内容が日本語と英語で違っています

 モンゴル企業と日本語・英語併記の契約書を締結しました。後から確認すると、日本語版と英語版で一部内容が異なっていました。どちらが優先されますか。

【アドバイス】

 契約書に正文を定めていれば、その言語が優先されます。

 一方、どちらが正文か定めていない場合には、契約内容をめぐる紛争となる可能性があります。

 複数言語で契約書を作成する場合には、「英語版を正文とする」などの条項を設けることをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書を電子メールで送っただけです

 契約書に署名したPDFを電子メールで送りました。相手方の署名押印はあります。原本は郵送していません。この契約は有効でしょうか。

【アドバイス】

 契約内容や法令によりますが、一般的な契約であれば有効となる場合もあるでしょう。もっとも、公証や登記が必要な契約では別途手続が必要となることがあります。書面によることが求められている場合、電子契約や電子での通知では無効と評価される可能性もあります。

 重要な契約では、電子契約が利用できるかも含めて事前に確認することをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】モンゴル企業から契約書のひな形を渡されました

 モンゴル企業から「当社の標準契約なので変更できません」と言われ、そのまま署名するよう求められています。このまま署名しても問題ありませんか。

【アドバイス】

 そのまま署名することはお勧めできません。

 契約書は一方当事者に有利な内容となっていることが少なくありません。特に、責任制限条項、裁判管轄、準拠法、損害賠償条項などは十分確認すべきです。

 「相手のひな形だから安心」ということはありません。また、契約はドラフトを作成したほうが一般的に有利な内容となることが多いようです。(2026.6.19)

【事例】出訴期間(時効)

 モンゴル企業との契約で代金が未払いとなっています。日本の消滅時効のような制度はありますか。

【アドバイス】

 あります。御社の場合、原則として代金支払日の翌日から3年以内に訴訟提起する必要があります。

 モンゴル民法では「消滅時効」ではなく「出訴期間」という制度が定められています。一般の出訴期間は10年ですが、契約上の請求については原則として3年です。不動産に関する契約上の請求も3年、他人の財産に損害を与えたことによる損害賠償請求は5年とされています。

 出訴期間は、原則として権利侵害を知り、又は知ることができた時から進行します。また、義務者が債務を承認した場合や裁判を提起した場合には、出訴期間が中断し、新たに期間が進行します。不可抗力により裁判所に訴えを提起できなかった場合などには、出訴期間が停止する制度も設けられています。もっとも、出訴期間を経過した場合でも、裁判所又は仲裁機関が正当な理由があると認めたときは、期間を回復して権利を保護できる場合があります。

 モンゴルでは、日本の時効制度とは異なる部分もありますので、権利行使を予定している場合には、早めに専門家へ相談することをお勧めします。(2026.6.18)

【事例】他人名義の財産を売却できるか

 相手方から「まだ自分の所有ではないが、後で取得する予定なので売買契約を結びたい」と言われました。このような契約は有効でしょうか。

【アドバイス】

 売主が契約時点で目的物の所有者でなくても、直ちに売買契約が無効になるわけではありません。

 売主には、契約どおり買主へ所有権を移転する義務があります。もっとも、その義務を履行できなければ損害賠償責任を負う可能性があります。一方、当事者双方が「取得できた場合に限る」という前提で契約していた事情がある場合には、条件付契約として解釈されることもあります。(2026.6.19)

【事例】将来手に入る商品を売ることはできますか

 まだ製造されていない機械について、予約販売を行いたいと考えています。このような契約は有効でしょうか。

【アドバイス】

 将来取得する特定の商品について売買契約を締結すること自体は可能です。もっとも、契約内容によっては、将来その商品を取得できなかった場合の責任が問題となります。納期や供給不能となった場合の解除条件なども契約書に定めておくことが重要です。(2026.6.19)

【事例】同じ商品を2人に売ってしまった

 1つしかない商品を、誤って2人と売買契約してしまった。契約はどうなりますか。

【アドバイス】

 2つの売買契約がただちに無効になるわけではありません。

 もっとも、実際に所有権を移転できるのは通常1人だけです。その結果、履行できなかった相手方に対しては損害賠償責任を負う可能性があります。(2026.6.19)

【事例】契約した商品を別のお客さんに売ってしまいました

 同じ商品について、先に契約した取引先への納品前に、別の会社から高い金額を提示されたので、その会社へ売却してしまいました。最初の取引先には「代金は返すので問題ない」と説明していますが、大丈夫でしょうか。

【アドバイス】

 代金を返還すれば済むとは限りません。最初の契約が有効に成立している以上、契約を履行できなかったことについて損害賠償責任を負う可能性があります。商品の価格が高騰しそうな場合には、契約前に在庫や納期を十分確認することが重要です。(2026.6.19)

【事例】展示会で見た絵を買ってきてほしい

 モンゴルの展示会で気に入った絵がありました。しかし、作者は「販売するつもりはない」と言っています。知人から「私が交渉して買ってきます」と言われ、その場で代金も支払いました。しかし、結局、作者は最後まで売ってくれませんでした。代金を返してもらえますか。

【アドバイス】

 契約の内容によりますが、返してもらえる可能性が高いでしょう。

 当事者双方が「作者が売ってくれた場合に限る」という前提で契約していたのであれば、条件付契約と解釈され、代金を返還してもらえる可能性があります。一方、「必ず入手する」と約束していたのであれば、約束した人が契約どおり履行できなかったこととなり、損害賠償責任を負う可能性があります。

 契約では、単に交渉を依頼するのか、購入まで依頼するのか、購入できなかった場合はどうするのか等を明確にしておくことが重要です。(2026.6.19)

【事例】買主が代金を支払えなくなりそう

 商品を製造中に、買主の経営悪化が判明しました。このまま納品しなければならないですか。

【アドバイス】

 必ずしも納品は必要ではありません。

 契約締結後に相手方が契約上の義務を履行できないことが客観的に明らかになった場合には、一定の場合、自己の履行を拒絶できることがあります。ただし、契約解除には法律上の手続を踏む必要があり、解除通知の方法などには十分注意しなければなりません。(2026.6.19)

【事例】運送中に商品が壊れた

 運送中に商品が壊れてしまいました。買主は壊れていない商品を持ってくるように言っています。運送はサービスとして無料で行っているものですが、やはり私が責任を負う必要があるでしょうか。

【アドバイス】

 あなたのミスによる破損であれば、完全な商品を納品する必要があるでしょう。

売主には適切な運送方法を選択し、必要な表示や通知を行う義務があります。これらを怠った場合には別途責任を負う可能性があるからです。

ただし、契約内容によりますが、買主の希望により運送した場合には、運送人へ引き渡した時点で危険が買主へ移転するとされる場合がありますので、契約書等をよく確認してください。今後は事前に契約書のなかでこのような場合の責任について定めておくことも有効です。(2026.6.19)

【事例】契約した商品が届く前に壊れてしまいました

 モンゴル企業から設備を購入しました。商品は発送されましたが、運送中に事故で壊れてしまいました。代金を支払う必要はありますか。

【アドバイス】

 契約内容によって結論が異なります。

 一般には、買主の希望により運送した場合には、売主が運送人へ商品を引き渡した時点で危険が買主へ移転することがあります。その場合には、運送中に事故が発生しても、代金支払義務が残る可能性があります。一方、売主に運送方法の選択や梱包などについて過失がある場合には、別途責任を負うこともあります。

 国際取引では危険負担について契約書で明確に定めておくことが重要です。(2026.6.19)

【事例】買主から「今日中に届けて」と急に言われました

 契約書には納品場所だけが書かれており、納期は記載されていません。突然、「今日中に届けてください」と言われました。応じる必要がありますか。

【アドバイス】

 直ちにその日のうちに履行しなければならないとは限りません。

 契約や法律に履行期限が定められていない場合には、相手方から履行請求を受けた後、法律上認められる期間内に履行すれば足りる場合があります。もっとも、急ぎの案件では契約締結時に納期を明確に定めておくべきでしょう。(2026.6.19)

【事例】契約書どおり商品を受け取ってくれません

 契約どおり商品を納品しましたが、買主が「今は倉庫がいっぱいだから受け取れない」と言っています。保管料は誰が負担するのでしょうか。

【アドバイス】

 買主には商品を受領する義務があります。

 正当な理由なく受領を拒否した場合には、買主の債務不履行が問題となる可能性があります。

 高額商品の場合には、保管費用や受領拒否があった場合の取扱いについても契約書で定めておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約した商品を買主が放置しています

 商品は完成していますが、買主が何か月も取りに来ません。倉庫代もかかっています。このまま保管し続けなければならないのでしょうか。

【アドバイス】

 買主には商品を受領する義務があります。

 正当な理由なく受領しない場合には、契約違反となる可能性があります。また、保管費用などについても買主に請求できる余地があります。

 契約書には、「一定期間受領しない場合の保管料」「長期間受領しない場合の処分方法」を定めておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】商品を受け取った後で品質に文句を言われました

 買主に商品を売却しました。2週間後に、商品を使用してから、「品質が悪いので返品するから代金を返してくれ」と言われています。返品は受け付けなくてよいでしょうか。

【アドバイス】

 通常は返品を受け付けなくてよいでしょう。買主が商品を使用するなど、客観的に受領したと認められる行為をした場合には、受領済みと評価される可能性があります。その場合は、単なる受領拒否ではなく、瑕疵に関する問題として処理されることになります。(2026.6.19)

【事例】商品の一部だけ壊れていました

 機械を販売しましたが、主要部分ではない部品だけが破損していました。買主は「全部返品する」と言っています。

【アドバイス】

 直ちに契約全体が解除できるとは限りません。破損の程度や契約目的を達成できるかどうかによって結論は異なります。高額機械では、部品交換や修理による対応を契約書で定めておくことも有効です。(2026.6.19)

【事例】契約書に価格を書き忘れた

 売買契約を締結したが、代金額を記載し忘れてしまった。契約は無効になりますか。

【アドバイス】

 ただちに無効になるとはいえません。価格が明示されていなくても、価格の決定方法について当事者が合意していれば、契約が有効と判断される場合があります。特に市場価格が変動する商品では、「引渡時の市場価格による」などの定めを置くことが実務上有効です。(2026.6.19)

【事例】契約書に支払方法を書いていません

 モンゴル企業へ商品を販売しました。契約書には代金額だけを書いており、現金で支払うのか銀行振込なのかは決めていません。このような場合、相手方は銀行振込でもよいのでしょうか。

【アドバイス】

 契約書に特別の定めがなければ、必ずしも現金で支払う必要はありません。例えば、契約書に銀行口座を記載している場合には、通常は銀行振込による支払が予定されているものと考えられます。後日の紛争を防ぐためには、契約書に支払方法、支払先口座及び振込手数料の負担まで明記しておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書に引渡場所を書いていません

 モンゴル企業に商品を販売しましたが、契約書には引渡場所を記載していません。相手方は「会社まで持ってきてほしい」と言っていますが、応じなければならないでしょうか。

【アドバイス】

 契約書に定めがない場合には、法律により履行場所が決まります。

 通常、売主は自己の営業所又は住所で商品を引き渡せば足りると考えられます。買主の希望で別の場所へ配送する場合には、その旨を契約書で定めることが望ましいでしょう。

 配送場所を変更する場合には、運送中の危険負担についても契約書で確認しておくことが重要です。(2026.6.19)

【事例】契約書に引渡日を書いていませんでした

 モンゴル企業と機械の売買契約を締結しました。しかし、契約書には商品の引渡時期を記載していません。相手方は「まだ準備できていない」と言っていますが、いつまで待てばよいのでしょうか。

【アドバイス】

 契約書に履行時期の定めがない場合でも、契約が無効になるわけではありません。

 モンゴル民法では、契約又は法律に履行期限の定めがない場合には、相手方に履行を請求することができます。そして、請求を受けた相手方は、原則として10日以内に義務を履行しなければなりません。

 もっとも、契約内容や商品の性質によっては異なる判断となる場合もありますので、高額な契約では契約書の中で引渡時期や支払時期を明確に定めておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書を書いた後に相場が大きく変わりました

 商品価格が急騰しました。契約書には価格を固定していましたが、売主から「赤字になるので価格を変更してほしい」と言われています。

【アドバイス】

 原則として、一方当事者だけの判断で契約金額を変更することはできません。

 市場価格が大きく変動する商品については、契約締結時から「市場価格によって価格を決定する」「一定割合以上変動した場合には再協議する」などの条項を設けておくことが有効です。(2026.6.19)

【事例】契約書に送料の負担を書いていませんでした

 日本からモンゴルへ機械を販売しました。契約書には運送費や梱包費を誰が負担するか書いていません。このような場合、どちらが負担するのでしょうか。

【アドバイス】

 契約書に特別な定めがない場合には、法律の規定によって負担者が決まります。

 一般的には、商品の梱包や計量など引渡しまでに必要な費用は売主が負担し、その後の運送費や受領費用は買主が負担します。もっとも、国際取引では運送方法やインコタームズなどとの関係もありますので、契約書で費用負担を明確に定めておくことが紛争防止につながります。(2026.6.19)

【事例】契約書に「代金は後払い」としか書いていません

 契約書には「代金は後日支払う」とだけ記載しています。具体的な日付は書いていません。このような契約でも有効でしょうか。

【アドバイス】

 通常は有効です。ただし、支払日を定めていない場合には、相手方から支払請求を受けると、法律上定められた期間内に支払わなければならない場合があります。支払時期を巡る紛争を防ぐためには、「引渡日から30日以内」「請求書受領後15日以内」など具体的に定めることをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約した担当者が退職しました

 契約を締結した担当者が退職しました。会社から「担当者が勝手に契約したので無効です」と言われています。

【アドバイス】

 担当者が会社を代表して契約する権限を有していたのであれば、担当者が退職したことだけを理由として契約が無効になることは通常ありません。一方、担当者に契約権限があったかどうかが争われる場合もあります。高額な契約では、契約相手が会社代表者かどうか、署名権限や会社印について事前に確認しておくことが重要です。(2026.6.19)

【事例】契約した相手が会社を売却しました

 契約締結後、相手会社が第三者に買収されました。新しい会社は「前の契約は知らない」と言っています。

【アドバイス】

 会社が存続している限り、通常は契約もそのまま引き継がれます。もっとも、事業譲渡など会社再編の方法によっては、契約関係の承継が問題となることがあります。

 重要な契約や継続的な契約では、会社再編時の契約承継について定めておくことも検討するとよいでしょう。(2026.6.19)

【事例】契約後に相手が音信不通になりました

 契約後、代金の支払日が近づいていますが、相手企業と全く連絡が取れません。契約はどうなりますか。

【アドバイス】

 連絡が取れないだけで契約が終了するわけではありません。

 まずは契約書に定められた方法で通知を行い、それでも履行されない場合には、契約解除や損害賠償請求を検討することになります。ただし、モンゴルに居住する相手方住所が不明な場合、代金を請求するのは相当困難になることが予想されます。

 海外企業との契約では、通知方法や通知先を契約書で定めておくことが重要です。社長やその家族の情報も日頃から取得するように心がけておくとよいと思われます。(2026.6.19)

【事例】車を売ったらカーナビも渡さなければならないですか

 中古車を売却しました。契約書には「自動車一式」としか書いていません。買主から「カーナビも契約に含まれている」と言われています。

【アドバイス】

 場合によっては含まれる可能性があります。

 モンゴル民法では、主物に通常付属して利用される従物については、契約に別段の定めがない限り、主物とともに譲渡されるものとされています。

 もっとも、後から取り付けた機器など個別事情によって判断が異なる場合もありますので、高額な付属品については契約書に明記しておくことをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】相手方が契約を解除すると言っています

 契約違反があったとして、相手方から突然「契約を解除する」と通知が届きました。これだけで契約は終了するのでしょうか。

【アドバイス】

 必ずしもそうとは限りません。

 モンゴル民法では、契約解除には一定の手続が必要となる場合があります。通常は、相手方に履行を求める通知を行い、相当期間を経過させた上で改めて解除通知を行うことになります。

 解除手続を誤ると、解除自体が認められない可能性もありますので、解除通知を受けた場合も、解除通知を行う場合も、事前に専門家へ相談することをお勧めします。(2026.6.19)

【事例】契約書には裁判所で解決するとしか書いてありません

 モンゴル企業との契約書には「紛争はモンゴルの裁判所で解決する」とだけ書かれています。仲裁が便利だと聞いたのですが、仲裁は利用できませんか。

【アドバイス】

 契約書に仲裁条項がなければ、通常は裁判所で紛争を解決することになります。仲裁を利用したいのであれば、契約締結時に仲裁条項を設けておく必要があります。

 国際取引では、紛争が生じる前に紛争解決方法を定めておくことが極めて重要です。(2026.6.19)

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